UNI-PORTのことがまるっとわかる資料がすぐにご覧いただけます。
株式会社ビックカメラは、東京都豊島区に本社を構える、家電量販店です。
今回、ビックカメラグループの株式会社コジマと共に、「UNI-PORT」をご導入いただきました。 近年の法令改正に伴い、多くの企業様がアスベスト(石綿)関連の法令対応を迫られています。 しかし、法令理解に苦労し、なかなか対応が進んでいないという声も多く聞こえてきます。
そんな中、クラウドで一元管理できるなどの利点を理由に「UNI-PORT」を導入していただいた同社(2社)のご担当者様にご協力いただき、アスベスト(石綿)管理に対する姿勢や実際の取り組み・導入のきっかけやポイントなどを伺いました。
EMS 原
まずは、御社がこれまで石綿の管理や対応をどのように行っていたのか、改めてお聞かせください。
ビックカメラ 村松
当社では、エアコンやキッチンまわりの家電の設置工事やリフォーム工事などを手がけていますが、工事中に発生する粉塵によってお客様や工事関係者に健康被害が絶対にあってはならない。そのことを念頭にこれまで取り組んできました。
石綿に限った管理や対策というよりも、“粉塵対策の一環として取り組んできた”との認識が強いです。
コジマ 早川
石綿においては、正直に申し上げると認識がそこまで深くはなかったと捉えています。 というのも石綿管理や対策は、解体業者や建設業者が取り組むべき内容だと思っていたからです。
また、実際に工事を行っているのが外部の協力会社ということも大きかったと思います。
コジマ 染谷
粉塵対策に関してはグループ会社全体として、大気汚染防止法に則り取り組んできました。
“作業員はマスク・手袋を必ず着用して工事を行うこと”を、工事をお願いしている協力会社はもちろん自社のリフォーム部に伝え、徹底に努めていました。
EMS 原
多くの企業様が、ビックカメラ様・コジマ様と同じようなご認識だったと思います。 ところが2021年を契機に、国は石綿の管理や対策を強化すべく、法改正を段階的に行っています。
EMS 原
その結果、解体・リフォーム業者の負担が増えただけではなく、まさに御社のようにエアコン設置の工事で壁に穴をあける。このような小規模電気工事を行っている事業者も、対応する必要が生じました。
端的に申し上げれば、建物に穴をあけたり、なにかダメージを与えるような工事は、すべて今回の法改正の対象となります。
そのため、監視カメラ、アンテナ、通信設備、自動ドアなどを設置する事業者、入居者の入れ替わり時にクロスの張り替えなどを行う不動産会社や塗装会社なども対応する必要があります。
コジマ 染谷
法改正のことはもちろん知っていましたが、当初私たちの感覚としては特にこれまでと変わらず、工事を行うリフォーム会社などが該当するとの認識でいました。
実際、工事をお願いしている協力会社の方々も、同様の認識だったと聞いています。
ビックカメラ 村松
詳しい内容が我々のところまで降りていなかったことも、すぐにアクションを起こさなかった理由のひとつだと捉えています。
先ほどお話したように我々が行っているのは小規模な電気工事であり、あける穴も小さいですからね。
コジマ 染谷
ところが法令を詳しく調べていくと、「電動工具を使用して建物に穴をあける場合は事前調査を行う必要がある」との一文が明記されていました。
つまり我々のエアコン設置工事は今回の法令に該当すると。そこから慌てて対応を検討していきました。
コジマ 染谷
今回の法改正では先ほど原さんが紹介されたように、石綿の飛散リスクが比較的低いとされる外壁材や壁紙といったレベル3の石綿含有建材も対象となりました。
しかし実際、どの建材がレベル3に該当するのか。調べていくにつれ全部該当するのでは、と考えるようになりましたし、他の石綿調査会社の資料でも同様の認識でした。
コジマ 早川
そもそも私たちは建築会社ではないので、建物がどういった材料でできているのか詳しくはありません。
石綿を含んだ建材がどの程度世の中に出回っているか把握することは困難だろうと。そこで、年数で判断するしかないとの結論に至りました。
EMS 原
まさに早川様がおっしゃったとおり、2006年以前に建てられた建物のあらゆるところに石綿は含まれている可能性がある、と考えた方がいいでしょう。
そのため今回の法改正の対象となる業者は枚挙にいとまがない、とも言えます。
ビックカメラ 村松
正直、我々にとっては対応が厳しい法令だと思いました。
一方で粉塵対策と同様に、工事協力会社やお客様に石綿を吸わせては絶対にならない。 そのような考えから対応を進めることとしました。そこで、EMS様にもご相談をさせていただきました。
EMS 原
ありがとうございます。改めての紹介にはなりますが、弊社はUNI-PORTの販売やサポートに特化するために、2021年に設立した会社です。
グループ会社のユニバースは、長年にわたり産業廃棄物関連の事業や環境コンサルティングといったビジネスに取り組んでおり石綿の管理や対応に関しても、豊富な知識や経験を有しております。
また、先に紹介した事前調査に必要な資格の講習などを行う一般社団法人も運営しているため、現場の知見はもちろん法令に関しても精通しています。
このような知見を活かし開発したのが、石綿の管理や対応を簡便、効率化する「UNI-PORT」なのです。
コジマ 早川
EMS様は、今回の法改正をどのように感じましたか?
EMS 原
今回の法令改正は、専門家である私たちから見ても正しく対応することが難しい、と感じました。
というのも、先ほど染谷様がお話しされた大気汚染防止法は環境省が、石綿障害予防規則は厚労省が管轄しているからです。
2つの省庁が関わっているため、記入・提出する書面も調査だけで3種類。石綿が確認された・あるいは”あり”とみなされた場合には7種類の書類を作成する必要があります。
また、省庁が異なるため書面に必須で記載しなければならない項目も微妙に異なっています。
法令に詳しくない方が一つひとつの項目を正確に記入し、書類を作成・提出することは難しいだろうと考えました。
コジマ 早川
おっしゃるように、7種類の書類を提出することには、さまざまな課題がありました。
EMS 原
そうですよね。作業者が現場で書き込む項目もありますし、多くの書類は3年間、最長40年間保管しておくことも義務づけられています。
さらには、今後改正される可能性もあります。 これらの要素を考慮した結果、専用のデジタル・クラウドツールを開発すれば、皆さまのご負担が減るのではないか。そう思い、誰でもどこでも簡便に使えるシステムを目指しました。
中でもまさにビックカメラ様・コジマ様など、小規模な現場を多数手がけている事業者様はもちろん、個人でリフォーム・解体等工事を請け負っている方にも適したツールとなっています。
EMS 原
今回の法改正に伴い、デジタル・クラウドツールの導入を検討している企業様は他にもいらっしゃると思います。 御社では、どのような考えのもと、検討していったのでしょうか?
ビックカメラ 村松
まず、コンプライアンスの遵守は絶対でした。
一方で、法令の内容を詳しく調べていくと、作業中の写真を撮影して作業報告書に添付する必要がありました。仮にデジカメで撮影してプリントアウトして貼り付けたとすると、膨大な時間を要することは明白でした。
書面の保管も3年間あるため、多くの工事を請け負っている我々では、紙ベースでは取り扱いが難しいだろうとも感じました。 さらに、工事をお願いする協力会社は全国各地に数千人・数百社と点在しているため、紙ベースでは紙面の提示や問い合わせがお客様や国からあった際、対応がすることも難しいだろうとも思いました。
こちらにおいては工事協力会社だけでなく、我々本部の人間、販売会社も同様です。特にお客様対応においては、齟齬が生じてはいけませんからね。
コジマ 早川
一方で、工事協力会社の方々になるべく負担を与えてはならない、ということも意識しました。
法令遵守は当然ですが、できるだけ石綿についての関連業務の作業を簡便にすることが、重要だろうと。
特に夏場はエアコンの施工数が増えますから、法令遵守のために設置台数が例年と比べて減ってしまっては、お客様にご迷惑をおかけしてしまう。このようなことは絶対にあってはならない、と考えました。
コンプライアンスの遵守を前提としながら、販売店・工事協力会社・お客様の安全を守り、これまでと変わらないスピードと施工数を実現するには、システムの導入が不可欠。 さらに、工事協力会社は現場で写真を撮影し、お客様へ提示する書類を現場で完成させる必要があるため、どんな環境でも操作がしやすいスマートフォンが最適だろうと考えていました。
ビックカメラ 村松
当初はこれらの内容を実現してくれるシステムを独自に開発しようと、専門の企業に打診しました。
ところがまさに原さんがおっしゃったとおり、法令面も含めた石綿に関する知見が必要のため、一般的なシステム開発会社では難しいことが分かりました。コスト、時間がそれなりにかかることもネックでした。 そこで、注目したのがUNI-PORTでした。
コジマ 染谷
UNI-PORTの魅力は、デジタル、クラウドである以外にもあります。例えば、エラー機能です。 記入した内容が正しくない、あるいは記入漏れがある場合に、エラーメッセージを出してくれます。
これが紙面だったら、おそらくそのまま提出して不備を指摘され、再度、書き直し。考えただけでかなりの手間ですし、時間ロスでもあります。
数値に関しても同様で、あり得ない数値を入力した場合にはエラーとなります。
このあたりはさすが、石綿に関する知見が豊富なEMSさんならではだと感心しています。
コジマ 早川
7枚の書面をアナログで記入すると、約1時間かかります。それが、UNI-PORTを使えばわずか15分。 導入して間もないですが、すでに大きな導入効果を実感しています。
EMS 原
UNI-PORTを導入する際に、特に意識したポイントを教えいただけますか?
コジマ 早川
先ほどお伝えしたように工事協力会社にできるだけ負担を負わせてはいけないと考えていましたから、普段どのように工事を進めているのか。現場仕事は必ず1日で終わること等を事前にEMS様にお伝えし、実際に導入できるかどうかを検討していきました。
また、これも繰り返しになりますが実際に使うのは現場の作業員ですから、操作方法を覚えるまでの負担なども考慮しました。 このような点においてもEMS様は真摯かつスピーディーに対応してくれました。
ビックカメラ 村松
デジタルツールの利用においては、バランスが大事だと考えています。 これまでお話してきた内容とも重なりますが、法令遵守を意識するのは絶対です。
しかし、コンプライアンスに重きを置きすぎるのではなく我々であれば工事を行う協力会社、エアコンを販売する販売店、そして設置するお客様。それぞれの負担がないことも重要だからです。
このような我々が重要視している観点においても、EMS様は柔軟に対応してくれたことも大きかったです。 気づいたこと、気になることを伝えると、すぐに対応してくれた姿勢も好感が持てました。
EMS 原
今回、ビックカメラ様・コジマ様への導入を経験したことで、改めて平準化の重要性を学びました。 今後もお客様のご意見をしっかりと伺い反映しながら、UNI-PORTをより良いツールに成長させていきたいと考えています。